糖尿病ファミリーブック[高齢糖尿病患者の介護編]

保坂 嘉之[著]

2026.09.25

1760円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

80歳以上の糖尿病患者に「厳しい管理」は不要!
恐れるべきは高血糖よりも「低血糖」

食事・運動・服薬管理から、低血糖の対処まで
糖尿病専門医が教える
高齢の糖尿病患者を支える家族と介護職のための実践ガイド


「血糖値は下げたほうがいい」
「糖尿病なら、甘いものは控えなければならない」
糖尿病に対して、「さまざまな制限が必要な病気」というイメージをもっている人は多いと思います。
しかし、80歳を超えた高齢者の糖尿病管理では、高血糖を避けること以上に、低血糖を起こさないことが重要です。高齢者の低血糖は、フレイルや認知機能の低下につながるおそれがあり、場合によってはその後の生活に大きな影響を及ぼします。低血糖を防ぐためには、急な体重の変化や食事量の低下など、日々の小さな変化を見逃さないことが欠かせません。
だからこそ、高齢者の糖尿病管理では、食事を必要以上に制限するのではなく、本人が食べることを楽しめるようにすることも大切なのです。

さらに、日々の介護では、
「食べないときはどうする?」
「水分をとってくれないときは?」
「食事量が減ったのに、薬の量は同じで大丈夫?」
「いつもと様子が違う」
「どんな運動をすればいいの?」
「すぐに医師へ相談できない」
といった、とっさに判断を求められる場面が少なくありません。そんなときに少なくとも“大きな間違い”をしないためには、何を優先し、どう対処すればよいのかを知っておく必要があります。

本書では、30年以上にわたり5000人以上の糖尿病患者を診療してきた糖尿病専門医が、80歳以上の要介護糖尿病患者を主な対象として、食事、運動、服薬、低血糖への対応から、医療機関・介護施設との連携までを分かりやすく解説します。

好きなものを食べる楽しみ。
自分でできることを自分でする喜び。
家族と穏やかに過ごす時間。
糖尿病を管理することだけにとらわれず、そうした日常を守りながら、無理なく糖尿病と付き合っていく。そのための考え方と具体的な対処法をお伝えします。
「あれもダメ、これもダメ」と頑張りすぎなくていい。
本当に気をつけるべきことが分かれば、糖尿病介護はもっとラクに考えられます。
本人の尊厳を守りながら、家族も抱え込みすぎない。
超高齢社会のいま必要な、糖尿病介護の実践ガイドです。

目次

はじめに

第1章 要介護期の糖尿病管理、その現実と落とし穴
超高齢の糖尿病患者にとって「正しい管理」とは
80歳を超えると、体は別のステージに入る
見落とされがちな「食事制限の悪影響と低血糖の危険」
糖尿病管理が生む、家族の緊張状態
「糖尿病=食事制限がある生活」ではない
教科書どおりの糖尿病診療から、現場での気づきへ
介護施設の現場で見えた、糖尿病管理の問題点
HbA1cファーストからの脱却を

第2章 超高齢者の糖尿病管理:一般患者との本質的な違い
血糖値はなぜ高くなるのか
HbA1c7%未満は長期間かけて進む合併症予防が目的
低血糖は短時間でも命に関わる
「隠れ低血糖」と「相対的低血糖」
薬が低血糖やフレイルの原因になることも
高齢糖尿病患者の治療指針の変化
HbA1cの落とし穴
「ダーツの的」を使ってHbA1cの目標値を説明
批判や強制をしないほうが良い循環が生まれやすくなる
超高齢者にとって優先すべきは「数値」ではなく「元気度」

第3章 要介護期の糖尿病管理
実践編 食事・運動・投薬管理、緊急時のケア
糖尿病だからといって、特別な生活は必要ない
【食事編】
超高齢者の糖尿病に食事制限はいらない
健康的な食生活への近道は「四段のはしご」で考える
シックデイの食事の考え方
Q ご飯の量が少ないと文句を言われ困っています
🅐 主食と副食は1:1のバランスで考える
Q おやつを欲しがり困っています
🅐 低血糖リスクを下げるために、超高齢者には「間食」を Q 野菜から先に食べることを、おばあさん(おじいさん)にも勧めたほうがよいのでしょうか?
🅐 〝元気を保つ食べ方〟は世代によって違う
Q 晩酌は控えてもらうほうがいい?
🅐 「たしなむ程度」で生活の楽しみを守る
Q 水分は摂るほうがいい? 摂る工夫は?
🅐 脱水は体調悪化の引き金に
Q 食事量が減って体重が落ちてきました
🅐 口腔ケアと食べやすさの工夫で摂取量を守る
Q 別メニューにしていることに不満があるようです
🅐 本人が楽しめる食事にする
Q 体重の増減があった場合、食事量で調節すべきですか?
🅐 急な体重変化は、水分バランスの変化と考える
【運動編】
超高齢者の運動の目的は「フレイル予防」
Q どんな運動が適していますか?
🅐 座ったままできる運動をお勧めしています
Q やり方のポイント、長続きするコツは?
🅐 食事のタイミングと合わせるなど、習慣づける工夫を
【投薬管理編】
薬の特徴を知ることが安全なケアにつながる
超高齢者の服薬管理は〝いつもどおり〟が正解とは限らない
Q 食べられない・食事量が落ちている場合の投薬量は?
🅐 薬によっては休む判断が必要になることも
Q 食事の量にムラがある場合(インスリン使用時)の投薬量は?
🅐 打つ量は〝主食の量〟に合わせて調整する
Q 体重が減ってきた・食欲が落ちた場合、投薬は続けたほうがいいですか?
🅐 薬がフレイルを進めていないか見直す
Q 飲み忘れ・飲み間違いを起こさない工夫は?
🅐 家族で管理するしくみをつくる
[コラム] 感染症が心配な場合――血糖コントロールよりもワクチンで守るという考え方――
【低血糖対策編】
もしものとき迷わず動けることが大事
いつもと様子が違う場合(低血糖を疑うサイン)
低血糖が疑われる場合(すぐに行う応急処置)
低血糖時に甘いものを与える場合(適切な種類・量・避けるべきもの)
飲めない・反応が鈍い場合(症状が進んだときの対応)
救急車を呼ぶべきか迷った場合(判断の目安)
緊急時に備えておくこと(事前準備)
[コラム] 高齢者こそ活用したい、持続血糖測定

第4章 医療機関、介護施設との連携(ベストな連携とは?)
かみ合っていない「医療」と「介護」の現実
制度の違いが医療と介護を隔ててしまう
連携を機能させるために必要なこと
家族・医師・ケアマネ、それぞれの役割
介護サービスの種類と選び方の基本
超高齢者の糖尿病特有の注意点
在宅介護を支える「老健」の強み
介護は早めの検討がうまくいく
まとめ:家族がつなぐ医療と介護

第5章 大切なのは「○○はダメ」ではなく、「○○はOK」の気持ち
家族にしてほしいこと、してほしくないこと
家族にしてほしくないこと① 糖尿病に良い食べ物や目新しい治療法などを本人に勧める
家族にしてほしくないこと② 血糖値やHbA1cを少しでも下げようとする
家族にしてほしいこと① 一緒に健康的な食生活を送り、一緒に体を動かす
家族にしてほしいこと② 一緒に受診し、医師とケアマネの連携を図る
家族にしてほしいこと③ 服薬管理に協力する
家族にしてほしいこと④ 糖尿病がない人と同じ日常を過ごさせてあげる

おわりに

著者:保坂 嘉之

保坂嘉之(ほさか よしゆき)
医療法人芙蓉会理事長保坂内科クリニック院長、日本糖尿病学会、糖尿病専門医。
1962年11月16日群馬県生まれ。
1969年、山梨県富士吉田市立下吉田第二小学校入学。
1975年、富士吉田市立下吉田中学校入学。
1978年、山梨県立都留高等学校入学。
1981年、群馬大学医学部医学科入学。
1987年、東京大学医科学研究所、細菌研究部入所。
同年10月、群馬大学医学部第一内科入局。
1989年、山梨医科大学大学院入学。
1993年、上野原町立病院内科医長。
1994年、米国ミシガン大学糖尿病センター留学。
1997年、山梨医科大学内科学講座第三教室医。
2001年、生活習慣病治療施設保坂内科クリニック開業。
著書(共著)に『5分でできる糖尿病食事指導の早見表〜糖尿病食から糖尿病性腎症食、透析食まで〜』(南江堂)。『「7つの習慣」で糖尿病に克つ』(キングベアー出版)。

ネット書店

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