「うまくいかない」ことが「うまくいく」に変わる! 発達障害のある子どもがいきいきと輝く「かかわり方」と「工夫」

岩坂 英巳 /宮﨑 義博[著]

2021.12.29

1540円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

年間1000組以上の親子の診断と支援をしてきた児童精神科医師と作業療法士が、
発達障害のある子どもがいきいきと輝く「かかわり方」と「工夫」を分かりやすく解説。

「何度教えてもできない」「子どもが何を考えているか分からない」
「コミュニケーションが取れない」
発達障害のある子どもが増加するなか、
かかわり方に悩みを抱えてしまう保護者が増えています。
どうすればうまく子どもとコミュニケーションが取れるのか?
親子のストレスを軽減し、子どもの成長を促すポイント、
学校や病院、支援機関との連携の取り方を紹介。

発達障害のある子どもは、特定の物へのこだわりや、
注意・集中の困難、多動性があるため、
通常の育児ではうまくいかない「育てにくさ」があります。
例えば、「あれ」や「それ」といった指示語が分からない、
話しているときに目線が合わない、いきなり予想のつかない行動をする、などです。
また、「育てにくさ」がある理由として、正しいかかわり方はどのようなものなのか、
判断が難しい点が挙げられます。
発達障害のある子どもの生活をサポートするには、
保護者だけでなく、学校や専門機関が一体となって、一人の子どもの特性を共有し、
その子に合った言葉のかけ方や体への刺激など、
正しい「かかわり方」を理解・実践することが重要なのです。

本書は豊富な事例をもとに、具体的に実践できる手引きとなっています。
「どう接してよいのか分からない」「子育てがうまくいかない」と悩んでいる
保護者だけでなく、幼稚園や学校の先生、地域でサポートをする方たちにとっても、
分かりやすく解説しています。

目次

はじめに

第1章 子どもの発達障害に悩む親が増えている
生まれつき? 育て方? 理由を知りたくて悩む親たち
「わが子は発達障害ではないか」という相談が絶えない理由
ネットの診断ツールや、経験者のブログを鵜吞みにするのは危険
「ありのままを受け入れる」は「今のままでよい」ということではない
本人の特性に応じた「接し方」を知らないと、セルフエスティームが下がってしまう
発達障害の支援と成長のモデル

第2章 まずは「発達障害」を正しく理解し、
子どもの特性と「困りごと」を把握する
国際基準によって定められる発達障害の診断と分類
発達障害の症状とその背景を知る
◆ADHD(注意欠如・多動症)
【事例1】外遊びが大好きな人気者が、トラブルから不登校に
【事例2】身体を使った遊びが大好きだった子が、反抗的になってしまった
【事例から学べること】行動特性だけでなく、叱られてばかりだと、
自信を失ってしまうことにも注意が必要
【ADHDの原因】脳の機能と神経伝達物質の受け渡しが関与している
◆ASD(自閉スペクトラム症)
【事例3】負けること、新しいことが苦手な子が、教室にいづらくなった
【事例4】お話し好きで友達と仲良くしているつもりが、いつの間にか孤立していた
【事例5】極端な偏食や聞き取りにくさは、感覚過敏のせいだった
【事例から学べること】「空気が読めない」「こだわりが強い」「感覚過敏」
の見えづらさと本人の大変さ
【ASDの原因】見え方、とらえ方が違う、独特な脳の使い方
困っていることが同じでも、診断名は違うこともある

第3章 親子の「困りごと」を軽減し、子どもの成長を促す専門プログラムとは?
◆発達障害の診断とアセスメント
アセスメントと行動観察から、正確な診断を行い、行動理解を深める
◆周囲の大人が「接し方」を共通理解する
家庭と学校とで本人を共通理解して、その子に適した「接し方」をしていく
◆ソーシャルスキルトレーニング(SST)
自然に身につきづらい社会性は、SSTで楽しく学ぶ
◆ペアレントトレーニング
ペアトレで良い親子関係の循環をつくる
ペアトレのノウハウを活かして「褒め上手」になる
家庭や学校の環境調整がペアトレの効果をアップさせる
ペアトレ的な接し方はどこで、どうやって学ぶのか?
◆感覚統合療法
発達障害の子どもにとって感覚統合がいかに難しいかを知る
敏感さ、鈍感さと行動のつながり
教科学習、対人関係を支える感覚統合機能
感覚統合療法はどのように進めていくのか
感覚統合療法の段階
感覚統合療法ではどんなことを行っているのか

第4章 じっとしていられない、空気を読めない、集中できない
症状別、子どもに自信をもたせ、やる気を引き出す「かかわり方」と「工夫」
<情緒>
イライラしている
暴言や暴力が見られる
<コミュニケーション>
コミュニケーションが嚙み合わない
自分以外の人に興味がないように行動する
友達とうまく遊べない
公共のマナーが守れない・お出かけで困る
<こだわりが強い>
気になる癖がある
「失敗」と「負け」に弱い
予定変更が苦手
<注意欠損>
集中力が弱い・続かない
忘れ物・なくし物が多い
片付けられない
<多動・衝動>
授業の邪魔をしてしまう
危険な行動をする
<実行機能が弱い>
宿題・レポートができない
ルールが守れない
<巧緻性>
姿勢が悪い
不器用
<感覚過敏>
偏食
音や光に敏感
<生活面のトラブル>
睡眠時間が不規則
朝の支度に手間取る
清潔が保てない

第5章 病院・学校・支援機関……
周囲の協力を得るために知っておいてほしいこと
1相談できる場、人を見つける〈一人で抱え込まない〉
2医療機関を利用する〈何かあれば受診できるようにしておく〉
3学校・園の先生と連携する〈先生を味方につける〉
4学校を知る〈進路選択のために〉
5福祉サービスを知る〈子どもに合った支援先を見つける〉
6ペアトレのノウハウを活かす〈子どもの光るところを見つける〉
7SSTのノウハウを活かす〈スキルとセルフエスティームを伸ばす〉
8感覚統合の視点を生活に活かす〈本人の特性理解と周りの人の理解、生活での工夫〉
9子どもと話す、聞く〈本人の気づきが成長につながる〉
10自分自身にご褒美を与える〈自分が頑張っていることを認める〉

第6章 その子に合った「かかわり方」と「工夫」で
子どもの人生は「その子らしく」輝く
家族の「褒め言葉のシャワー」が多動と衝動性を和らげた
ペアトレと感覚統合療法で、自分の気持ちを言葉にできるようになった
兄弟そろって感覚統合療法を受け、コミュニケーションスキルをアップさせた
担任とうまくいかずトラブル続きだった学校生活が、感覚統合療法で大きく変化
19の資格を取得。ペアトレで接し方を学んだ母親が娘の努力を支えた

おわりに

著者:岩坂 英巳 /宮﨑 義博

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