かぞくの南京錠

竹内 清人[著]

2021.10.17

1760円(税込)

幻冬舎メディアコンサルティング

単行本

ネットで買う

書籍内容

引き出しにしまわれたままの南京錠が、
過去への扉を開く。親子三代、100年の物語。

――1972年の夏、ボクとおじいちゃんは、「かぞく」を探す旅に出た。
商いの町・大阪を舞台にした100年にわたる金物卸商の事業承継。
「かぞく」愛あふれるファンタジー経済小説。
大阪船場の商人文化、戦後の沖縄復興、バブル経済の終焉……と
激動の近代日本を駆け抜けた、実在する老舗企業の歴史を映画脚本家が小説化。

大阪の老舗金物卸商の二代目社長であった父・松倉充太郎が亡くなった。
充太郎を見送るため、息子の三代目社長、将は告別式の喪主を務める。
葬儀当日、将は充太郎の引き出しから、ずしりと重い南京錠を見つける。
しまっていた理由を知る者は、いまとなっては将ひとりだ。
「長いこと隠しててすんません、充太郎さん」と、将は心のなかで父に詫び、
自身の胸ポケットに南京錠を収めると、ふいに将の心に遠い昔の記憶が蘇る……。
1972年、日本に沖縄が返還されたその年。
11歳の将は、小学校の担任に反発して不登校となり、
家業の金物卸商「マツ六」創業者である祖父・六郎の家に丁稚奉公することになる。
ある日、納戸の修繕をしていた六郎がよろけて頭を打った。
六郎は病院から帰ると、これまでの人生でやり残したことを清算するため、
突然旅に出ることを決意する。
心配した家族が六郎の旅のお伴に選んだのは、なぜか孫の将だった。
こうして、これまで孫に向ける愛情を持たなかった老経営者と、小学生の珍道中が始まる。
旅を通じてぎこちない二人の間に徐々に生まれる絆。
だが、祖父と将の父親には、経営者と跡継ぎとしての確執があった。
100年企業の祖父、父、子はぶつかり合いながらも会社とかぞくのために奮闘する。
果たして三人が見つけた会社とかぞくのカタチとは……。
商いの町・大阪に実在する建築金物卸商『マツ六株式会社』を舞台に繰り広げられる、
親子三世代の物語。

目次

プロローグ
第1章 戸車
第2章 げんこ
第3章 塩ビ管
第4章 マツ六の南京錠
エピローグ
あとがき対談

著者:竹内 清人

1968年、神奈川県出身。
1991年日本映画学校(現・日本映画大学)を卒業後、映画宣伝業務に携わる。
2005年、映画『戦国自衛隊1549』で脚本家デビュー。
主な脚本作品は、TV『ウルトラマンマックス』、
映画『エクスマキナ -APPLESEED SAGA-』、『ギャルバサラ 戦国時代は圏外です』、
『SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK(キャプテン・ハーロック)』(福井晴敏氏と共同脚本)、
『劇場版びったれ!!!』。日本シナリオ作家協会所属。
また、作家としても活動し、
『たばかり稼業の六悪人(「踊る六悪人」改題)』(ポプラ社)、
『キャプテン・ハーロック』『小説 機動戦士ガンダムNT』(KADOKAWA)、
『エクスマキナ』『GOEMON』
『母なる証明(ポン・ジュノ監督作品のノベライズ)』(幻冬舎)、
『風流時圭男』(幻冬舎メディアコンサルティング)などがある。
映画ライターとして、コラムやインタビューなども手掛ける。

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z