医師が実践する地方創生

冨田裕[著]

2026.01.27

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

寂れゆく故郷・本宿の未来を憂え、その再生に挑んだ一人の医師の道のりとは?

徳川家康が生まれた地として知られる愛知県岡崎市。その東に位置する本宿町もほかの地方都市同様に人口減少や少子高齢化にさらされていました。しかし、2025年11月、愛知県初の大型アウトレットパークがオープン。そこに至るまでの苦難や課題をどのように乗り越え、解決してきたのか――。

今、日本は出生数が減少し、生産年齢人口が縮小されつつあります。社会を支える働き手の数が急速に減少する一方で、高齢者の人口は着実に増加しています。社会保障制度や医療・介護の需要が拡大し続けた結果、地方経済の停滞、医療・介護現場の逼迫という課題が全国的に顕在化しています。著者の故郷である愛知県岡崎市本宿町もこの波には逆らえず、生活利便性が乏しくなる一方でした。東京の大学で医業を学び26年ぶりに戻った故郷は、あまりにも寂れていました。
著者は、江戸時代に本宿陣屋代官として地域に尽くし、のちに医業を始めたという歴史ある名家の14代目で、院長として冨田病院を運営しています。この病院は地元で120年にわたって地元住民の健康を守ってきました。故郷・本宿町にかつての活気を取り戻すには何をするべきか。まずは住民が地域で安心して暮らせるために、築40年を経過している病院を再建します。しかしそれだけでは本宿町の人口は増えません。そこで起死回生の一手として考えた策がアウトレットパークの誘致です。
まちづくり協議会を立ち上げ、地域住民とともに行政や企業に訴えかけることで、少しずつ前進し、13年の歳月をかけて本宿町にアウトレットパークがオープンしました。日常生活の利便性が向上したのはもちろんのこと、新たな雇用が生まれ、地域の人口増加も期待できます。また、冨田家が所有する築200年の代官屋敷をリノベートして地産地消のレストランをオープンするなどして、さらなる地域創生に力を入れています。
本宿町と同じような状態にある地方都市は少なくありません。地方創生に必要なのは小さな「はじめの一歩」そして「賛同の一歩」だと著者は言います。では、ほかの地域ではじめの一歩をどうやって踏み出せばよいのか、そのヒントを得られる一冊です。

著者:冨田裕

元禄11(1698)年、知行替えになった旗本柴田氏(柴田勝家の子孫)の下、明治維新まで170年本宿陣屋代官を代々務めてきた冨田家の14代目。明治維新後から陣屋跡地にて120年以上続く病院の4代目院長。作曲家・冨田勲の甥にあたる。先代の病判明を機に、慶應義塾大学病院を辞し、26年ぶりにふるさとの岡崎市本宿町に戻り、高齢化社会に対応できるリハビリテーション機能・予防医学を充実させた新病院を建設し、地域医療・介護に日夜従事している。一方で、病院に隣接する築200年の旧本宿代官屋敷を再生し、地域活性化に貢献。さらに岡崎市東部地域において、まちづくり協議会を立ち上げ、会長に就任。10年以上の歳月を費やし、過疎化しつつあったふるさとに愛知県初の本格大型アウトレットモールの誘致に成功した。若年世代に人気の新たなまちを創ることにより、ひいては医療・介護の従事者を確保し、高齢化しつつある地域で仮に介護が必要となったとしても、人生の最期まで住み慣れたまちで安心して暮らせる地域包括ケアシステムの構築に寄与している。

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