「2025年本屋大賞」読書家100人大賞予想ランキング

今回で第22回目となる、全国の書店員が選んだいちばん売りたい本「本屋大賞」。2025年度は、2023年12月〜2024年11月の間に刊行された日本の小説を対象に10作品がノミネートされ、2025年4月9日(水)に大賞が発表されます。そこで今回は、読書好きの皆さんに聞いた大賞予想をランキング形式で発表します。ぜひまだ読んでいない作品があればこれを機に手に取ってみてはいかがでしょう。
1.『spring』(恩田陸 (著) / 筑摩書房)
<コメント>
・バレエに関する小説で、恩田さんらしい瑞々しい表現で、踊りや演奏、周囲を取り巻く人々が描写されているので、バレエ好きな人な必読(女性・40代)
・バレエというスポーツを通して、人間の才能や努力、美しさを描いている。バレエの舞台をまるで目の前で見ているかのような不思議な感覚が味わえる。(男性・50代)
・美しい描写とノスタルジックで幻想的な世界観が魅力の一冊。過去と現在が交錯する物語は、どこか懐かしく心に深く残る。春の移ろいを感じながら、読後も余韻に浸れる作品。(女性・40代)
・ドキュメンタリータッチな小説で新しい感覚を楽しめる(女性・50代)
・天才が故の苦悩が感じられてよかった。(女性・30代)
・個性的な仲間たちと頑張る姿に胸打たれる作品です。(女性・30代)
・恩田陸の作品は万人に読みやすく、親しみやすいものが多い。登場人物がとる行動を自分の立場に置き換えたとき、果たしてそれが正解なのか、答えのない問題をさまざまな視点から考えさせられるの技術は非常に素晴らしいと思うから。(女性・30代)
・面白かったのでみんなに読んでもらいたい!(女性・40代)
ネット書店
2.『生殖記』(朝井リョウ (著) / 小学館)
<コメント>
・語り手が生殖器ということで気を衒っているのかと思いきや、ちょうど良い塩梅に現代を風刺したストーリーで、方法とテーマの組み合わせの巧みさがおすすめです。(女性・50代)
・語り手が生殖器で朝井リョウさんらしく面白い。少数派の生きずらさなど考えさせられる。(女性・50代)
・下世話になりそうな設定なのに、現代の問題が上手く扱われている。(女性・50代)
・男と女の考え方目線が楽しめそうな感じがあったから。(男性・50代)
・書評やレビューでも高評価ですし、これまでのヒット作同様に、生殖記も現代社会の問題を鋭く描いた深いテーマと緻密なストーリーテリングになっています。(男性・30代)
・朝井リョウさんはこれまでにも数々の文学賞を受賞しており、その新作生殖記は社会的なテーマを扱った意欲作として評価されているから。読者としては「心を抉るような読書体験」と思っていて、話題性と文学性の高さからも大賞候補として有力視しているから。(女性・20代)
・朝井リョウの良さがでている (男性・20代)
ネット書店
3.『禁忌の子』(山口未桜 (著) / 東京創元社)
<コメント>
・第34回鮎川哲也賞を受賞した作品で、自分と瓜二つの遺体が搬送されてくるところから始まる本格ミステリです。内容が濃くて臨場感があるので読み始めると最後まで一気に読みたくなります。ミステリ好き以外の人にもおすすめできます。(女性・20代)
・完全に個人的な理由ですがミステリー好きなのと、「自分に似た遺体」と出会うところから始まる感じがゾクゾクしてまず好きでした。現役医師の作者が描く医療描写もリアルで、テンポよく読めて面白かったです。(女性・40代)
・展開が気になって一気に読むことができるくらい面白かったから。(男性・30代)
・心を揺さぶるストーリーで、倫理的なジレンマや人間の欲望をテーマにしています。登場人物たちの心理描写や成長が丁寧に描かれ、予測できない展開が読者を飽きさせません。幻想的でリアルな世界観が独特で、物語に引き込まれます。(女性・40代)
・医療系ミステリーや推理物は近年多くの作品が出るようになったジャンルなので既存感が薄く、没入しやすい作品であると思います。(男性・40代)
・現役医師の山口先生が書かれた医療ミステリーです。展開が早く、専門知識などへの丁寧な解説もあり、読みやすいミステリー作品だと思います。(男性・40代)
・作者が現役医師ということで医療とミステリーという組み合わせが面白い。(女性・30代)
ネット書店
4.『成瀬は信じた道をいく』(宮島未奈 (著) / 新潮社)
<コメント>
・前作同様、主人公の成瀬の前向きな生き方に勇気をもらえました。悩みがあって、迷いがある人にぜひ読んでほしい作品だと感じます。(男性・30代)
・主人公の成瀬が信じた道をまっすぐ進む感じが潔くて読んでいて気持ち良かった。現実だと何をするにもつい周りからどう思われるかとか浮かないとか考えてしまうので、成瀬には憧れてしまいます。(女性・50代)
・流されやすく影響を受けやすい成瀬が、自分なりの理由があって行動するところに、ハラハラしながらも納得の理由が出てくるところが面白いから。(女性・30代)
・本好きの間ですでに評判が良いだけでなく、今後映像化(映画、ドラマ)や舞台化などで書籍以外での展開も大いに期待できるから。(男性・50代)
・鳴瀬の圧倒的な行動力は勇気をもらい、自分も頑張らないと思いました。(男性・60代)
・青春らしさを感じられて共感できるから(女性・30代)
・主人公が変わっててやることが面白いから(女性・30代)
ネット書店
5.『人魚が逃げた』(青山美智子 (著) / PHP研究所)
<コメント>
・登場人物が絶妙に交差して、ぐんぐん物語に引き込まれました。物語の最後に伏線を回収していくのが面白く、よくできてるなぁと関心しました。最初から最後まで楽しめる本なので、ぜひ読んでほしいです!(女性・40代)
・私は、青山美智子さんの本が好きで、発売されると必ず読んでいます。今回の「人魚が逃げた」も読みました。あと、ノミネートされているものでは、禁忌の子と生殖記を読みましたが、やはり好みもあり青山美智子さんの本が好きだなと再確認しました。青山美智子さんの本は、私を読書が好きになるきっかけを与えてくれました。読んでいて幸せな優しい気持ちになれますし、最後まで読んだ後に、また最初から読みたくなるような話の作り方をされています。何度も楽しめるおすすめの本です。(女性・30代)
・童話「人魚姫」をモチーフにした連作短編で、やさしさを薄めずに原液で浴びているような濃密で心地よい作品だからです。(男性・60代)
・主な登場人物の5人のめくるめく展開が目が離せなくなり、一気に読み進めてしまったため。(女性・30代)
・独特の雰囲気がありつつ、前向きにもなれる気がするから。(女性・30代)
・絵本の「きんぎょがにげた」に似ていて読む意欲が沸いたから(男性・50代)
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6.『カフネ』(阿部暁子 (著) / 講談社)
<コメント>
・カフネは、文学的な要素が豊かでありながら、読みやすいストーリーが魅力的です。阿部暁子の作品は、緻密な構成と深いキャラクター描写で知られ、読者に強い印象を残します。カフネはその作風を存分に発揮しており、日常と非日常が交錯する中で人間の本質に迫るテーマが描かれています。(男性・40代)
・人はどう運命を受け止め、その後を向っていくのか、非常に考えさせられるストーリーで、勉強になりました。(男性・40代)
・心理描写が綺麗。特に食事のシーンが秀逸です。(男性・40代)
・将来的に誰にもでもかかわってきそう状況で、共感できそうだと思うから。(女性・40代)
・とても読みごたえがあって面白かったから(女性・20代)
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7.『アルプス席の母』(早見和真 (著) / 小学館)
<コメント>
・これまで部活動を題材にした書籍は多々ありましたが、保護者(親)の視点で描かれた書籍は、ほとんどなかったと思います。同じ高校性の子を持つ親(我が子も部活に入っているので)としての心情や、葛藤など、感情移入できる作品でした。途中は、いっしょになって憤り悲しむことができ、読後感は何とも言えない充実感を味わえる作品でした。子を持つ親にはぜひ読んでもらいたい作品でした。(男性・40代)
・甲子園を目指す我が子と新たな土地での生活を送ることがベースに描かれ、容易に想像される人間関係やさまざまな問題が身近に感じられるストーリーも魅力的だから。(男性・50代)
・同じ母として感情移入でき、純粋に応援しながら読み進めることができた。(女性・30代)
・面白い設定の高校野球がテーマの話で、主人公と息子さんを応援したくなり、高校野球についても今までとは違った視点で見られたから。(女性・50代)
・母親が息子の夢を叶えるために支える姿や親子愛に感動したから(女性・40代)
・野球ものだが選手でなく、その母の目線から物語を追うのが斬新な切り口となって楽しめるから。(男性・30代)
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8.『恋とか愛とかやさしさなら』(一穂ミチ (著) / 小学館)
<コメント>
・盗撮は現代社会においてかなり問題になっていて世間でも関心を持っている人も多いと思いますし、もしも結婚まで考えている恋人が盗撮をしてしまったら、と自分に置き換えて考える女性も多いのではないか、遠い世界の話ではなく身近な問題として感じられるのではないかと想像したからです(男性・50代)
・もしも自分だったらと考えさせられる。身近な問題として胸に刺さる思いです。(女性・50代)
・この作品は、恋愛のさまざまな形や感情を繊細に描写しており、読み手に深い共感を与えます。一穂ミチの文章は美しく、キャラクターたちの心の動きがリアルに伝わってきます。特に、やさしさや愛の本質について考えさせられる内容が多く、心温まるストーリーが魅力です。恋愛小説に興味がある方はもちろん、ヒューマンドラマを楽しむ方にもおすすめできる一冊だと思うから。(男性・20代)
・人と人が歩み寄る必要性を感じる作品だから(女性・20代)
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9.『死んだ山田と教室』(金子玲介 (著) / 講談社)
<コメント>
・もう学生でなくなってずいぶん経ちますが、学校ですごした暗い時期を思い出させてくれる作品。学生の頃に読んでみたかった。(女性・50代)
・死んだ山田がステレオから蘇る、あらすじだけで気になって一気に読んでしまった(女性・40代)
・タイトルで学園ものであることは分かるが、心理的なホラーになるのか、感動ストーリーになるのか、ドキドキしながら読みました。学生ならではの青臭さもあり、楽しめます。(女性・40代)
・死んでしまった山田くんがスピーカーに憑依してしまい、始め皆驚いたがクラスの皆との交流を綴っていくストーリー。話しの展開が驚きの連続で引き込まれる作品である(女性・40代)
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10.『小説』(野崎まど (著) / 講談社)
<コメント>
・このタイトル・作者から、読む前についに来たかと思いました。この著者は難解なものを変にかみ砕かず難解な儘描き、それが心地よく受け入れられる感じの作風です。万人向けでは有りませんがその叙述、話の組み立て、話の締め方等緻密さが受け入れられる人にとってはこの作品の良さが伝わる作品です。特にこの作品は話の詰め方が素晴らしいと感じています。(男性・50代)
・人はなぜ小説を読むのか、読む事でどうなるのか考えさせられる本です。(女性・30代)
・読みやすくて興味深いから(男性・20代)
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