高齢者が急性期病院に殺されないために知っておくべきこと

武久洋三[著]

2024.12.03

1760円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

入院生活が高齢者の寿命を縮める?

100施設超の医療・介護グループを率いる著者が語る
日本の医療制度の問題点とは?


日本の医療体制は、大別すると急性期、回復期、慢性期に分けられており、それぞれが異なる役割を担いながら患者の治療からリハビリ、長期的なケアを行っています。患者の状態に応じた分業制度によって多くの人の命と健康が守られている一方で、著者はこの仕組みが、実は患者、特に高齢者の体力や身体機能の低下を招く要因になっていると警鐘を鳴らしています。

長年にわたり回復期・慢性期医療を専門とした医療・介護グループを運営してきた著者は、これまで急性期病院から自身の病院に転院してくる高齢患者の多くが要介護状態となっていることに疑問を感じてきました。従来の日本の医療制度では、急性期での治療を終えてから、リハビリを行う回復期に移るという仕組みが一般的でしたが、著者はこの仕組みのために、急性期病院に入院している間は高齢者が身体機能の維持を意識したケアを受けられず、その結果、体力や免疫力が落ちて寝たきりになったり新たな病気にかかったりするケースが多いのではないかと考えています。
この問題に対応するため、2024年の診療報酬改定では急性期段階からのリハビリテーションが評価される仕組みが導入されましたが、著者はこの改革をさらに加速させ、急性期病院においても入院早期から十分なケアを実施すべきだと主張しています。

本書では、著者が半世紀にわたり臨床の現場に立ち続けた知見や経験を通じて、日本の医療が抱える構造的な問題について幅広い視点で論じています。
医療・介護の現場に携わる人はもちろん、高齢の家族がいる人、誰もが直面するかもしれない入院生活について考えたい人にもおすすめの一冊です。

著者:武久洋三

1942年1月6日、徳島県徳島市生まれ。
幼少期から体が弱く医師の診察を受けていたこと、14歳年上の姉が医師と結婚したこと、弱い人を助けたいという思いなどから医師を志すようになる。1960年、岐阜県立医科大学(現・岐阜大学医学部)に入学、1966年の卒業後は徳島大学大学院医学研究科へ進学する。大学院修了後は内科医として働き、1984年に博愛記念病院を開設。高齢者を診る慢性期病院にしようという目標を立て、しっかりと治療し、ちゃんと治して退院させる方針で病院を経営してきた。現在は全国総施設数100以上を数える回復期・慢性期医療を専門とする医療・介護グループにまで発展している。

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