SEの悲鳴 ITエンジニアを食い物にする多重下請け構造の闇

田中 宏明[著]

2024.09.03

1760円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

“デジタル敗戦国・ニッポン”。その歪な業界構造に迫る

非IT業界出身の著者が提言。
多重下請け構造の是正と、末端SEの再評価なくして
日本のIT立国はなしえない!


政府・自治体といった行政のIT化の遅れや、メガバンクのシステム障害、IT人材の不足など、わが国のIT分野における国際競争力の低下は深刻さを増しています。政府・民間によるIT産業への投資不足、大企業を筆頭にした保守的な企業文化など、原因は多岐にわたりますが、その一つに日本のIT業界に蔓延する「多重下請け構造」があります。
元請け企業が下請けに委託し、その下請けがさらに別の下請けに再委託するという構造によって、実際にシステムを構築する現場のSEはクライアントの要望を正確にくみ取れず、こちらからの技術的な提案もできません。さらに、開発現場への過度な要求・無理のある納期の押しつけなどが起きやすく、末端にいるSEの待遇の悪さや不当ともいえるほど低い給与水準の原因にもなっています。
メガバンクの海外支店や大手生命保険会社など、金融業界での経験を経て、独立系IT企業を父から引き継いだ著者は、こうしたIT業界の実情を知るにつれ、その歪な構造に愕然としたと言います。
そしてこの多重下請け構造が、IT人材が育ちにくく、イノベーションが起きづらい土壌を生み出し、日本のデジタル競争力を著しく低下させている原因の一つであると述べています。

本書では、業界のアウトサイダーであった著者の客観的な視点から多重下請け構造の問題点を明らかにし、現場のSEたちの声を通じて彼らが直面する不当な待遇を浮き彫りにします。さらに、国際的に戦えるITエンジニアが育つ土壌をどのように作っていくか、著者の考えをまとめています。
国際競争力が落ち続けている日本のIT業界の問題点を明らかにし、その下で苦しんでいる優秀なSEたちに新たな展望をもたらす一冊です。

著者:田中 宏明

1978年9月生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、2001年福岡銀行に入行し資産運用商品や住宅ローンの販売、中小企業向け融資などを行う。その後東京三菱銀行(現:三菱UFJ 銀行)ロンドン支店へ出向し、欧州各国の非日系企業向け融資や英国の鉄道ファイナンス案件などを担当。帰国後は福岡銀行ソリューション営業部にて船舶融資の新規開拓に携わる。2012年にはプルデンシャル生命保険に入社。完全歩合制の営業に従事し、経営の基礎となる売上向上と資金繰りを経験する。
2015年より株式会社ソフネットに関与し、副社長(社外)などを経て、2021年に代表取締役に就任。

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