ブラジバン 工学博士が読み解く足もとの構造

磯部有作[著]

2026.09.28

1078円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

基礎知識から最新の解析技術まで
研究と実務の両面で活躍する工学博士が解説!

街を見る目がガラッと変わる「地盤」の教養


「地盤」と聞いて、多くの人は何を思い浮かべるでしょうか。地層や地質、地震のときの土地の揺れやすさ。あるいは政治の世界で耳にする「地盤・看板・鞄」や、「地盤を固める」というビジネス上の言い回しを連想するかもしれません。この言葉には、どんな使われ方にも、足もとがしっかりしていれば安心して立つことができ、ぐらつけば不安になるという意味が含まれています。とはいえ、私たちは日々地盤の上で暮らしているにもかかわらず、あまりに当たり前であるがゆえに、その存在が意識されることはほとんどありません。
地盤解析を専門とする工学博士である著者は、20歳のときに阪神・淡路大震災を経験したことから、家屋や人の命を守る地盤へと関心を向けました。南カリフォルニア大学での研究活動を経て実務経験を積み、現在は地盤解析を専門とする会社を経営しています。国や自治体のガイドライン対応から地下利用、防災まで、あらゆるインフラの地盤リスク評価に携わり、大学の研究者や研究機関との共同研究も続けています。
本書は、工学博士である著者が5つの土地を実際に歩いた記録です。神戸と淡路島では、被災した高架橋や地表に現れた断層がなぜそのまま遺されたのか。福島・小峰城の石垣は、なぜ「頑丈」と考えられていた区間ほど大きく崩れたのか。羽田空港の滑走路の下では、深夜のわずか数時間に何が行われているのか。歩きながら生まれる素朴な問いを手がかりに、地層の読み方、耐震の考え方、盛土に潜む「みずみち」、そしてボーリング調査とN値、液状化まで、地盤工学の考え方が、机上の理論としてではなく、現場の風景とともに語られていきます。
専門的な知識は必要ありません。地盤という視点を一つ持つだけで、いつもの通勤路や旅先の風景は少しだけ違って見えてくるはずです。足もとから世界をとらえ直す、小さな旅の一冊です。

目次

はじめに

序 章 東京都麹町/関東ローム層
    起伏の激しい地形で地盤の基礎を知る
 麹町を歩く。ブラジバン、はじめの一歩
 武蔵野台地と関東ローム層という土台
 坂と地名が語る外堀の地形史
 麹町は坂のまち、地盤の入り口は地名から
 地盤を知ってまちの履歴を知る
 ブラジバンは土地と人の歴史の追体験

第1章 愛知県名古屋市/建中寺
    都市は水と地盤でできていることを知る
 台地の感覚
 わずかな高低差がまちの性格を決める
 「ゼロメートル地帯」という原風景
 水に育てられてきた都市
 治水地形分類図
 名古屋名物100メートル道路
 名古屋工業大学と鶴舞公園

第2章 兵庫県神戸市・淡路市/震災資料保管庫・野島断層
    阪神・淡路大震災の土地で地盤が揺れるとは何かを知る
 阪神・淡路大震災
 山と海に挟まれた都市の骨格
 地盤は一枚ではない
 被災した構造物をそのまま遺す
 壊れ方をデザインする
 震災で「1メートル伸びた」明石海峡大橋
 淡路島・野島断層で「地面が動く」を見る
 地盤と対話するということ

第3章 福島県白河市/小峰城
    城の復旧から地盤解析の技術について知る
 城の足もとにある時代の層
 偶然の連続によって城は残った
 国の史跡になったばかりの城を襲った大震災
 崩れたのは石垣ではなく、土地の歴史だった
 修復とは、昔の姿に戻すことではない

第4章 東京都大田区/羽田空港
    巨大インフラで地盤改良工事を続ける職人たちの矜持を知る
 地盤は、そのまま使えるとは限らない
 足もとに積もった時間
 ボーリング調査とN値
 地盤改良のいろいろ
 見えない地盤を相手にする
 羽田空港という巨大な地盤の総合格闘技場
 天空橋の歴史散歩
 本当に眠らない空港
 海の上に広がった東京
 滑走路の下には何があるのか
 午前零時、工事車両が動き出す
 滑走路の下で地盤を固める
 ボルト一本が許されない世界
 インフラを支える人々の職業病?
 「当たり前」を維持し続けること

おわりに 寺田寅彦さんの言葉

著者:磯部有作

1974年生まれ。名古屋工業大学大学院 博士課程修了(工学博士)。20歳のとき、阪神・淡路大震災が発生。家屋や人の命を守る地盤に改めて興味を持ち、地盤工学や地質を専門に見定める。南カリフォルニア大学での研究活動を経て、地盤解析・構造解析の分野で実務経験を積み、2019年、株式会社IMAGEi Consultantを創業。
国や自治体が定めるガイドラインへの対応のほか、開発、維持管理、地下利用、エネルギー、防災などあらゆるインフラに関わる地盤リスク評価・モニタリング・数値シミュレーションを行う。また、創業後も地盤力学、地質学などに携わる大学の研究者や研究機関と共同で、複雑な地盤問題における安全かつ経済的な解決策を見いだす研究を続ける。
地盤解析のプロフェッショナルとして、案件ごとの深い意見交換や技術提案を重視し、国民の生命・財産を守るための防災事業や、厳しい地盤条件における建設事業の解決案につなげるための「本質をとらえられるモデル化」の一端を担うことを使命としている。

ネット書店

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