<第3回>サイコパス度の高い職業は?成功者に多いサイコパス

この世のなかで成功しているサイコパス的性向をもつ人たちは、その性質をうまくプラスに活用しています。多くの場合、社会的地位が高い職業に就いて、世のなかや会社を発展させ、人を幸せにするために活躍しているのです。

本記事では社会的地位の高い人=成功者にはサイコパスが多いといわれる理由を解説していきます。

なぜ成功者にサイコパスが多いのか

一説には、一般社会に存在するサイコパスは1%程度であるのに対して、組織の指導者的な地位にいる人のなかには4%存在するといいます。

社会的地位の高い仕事に就いている人々は、決断力や勇敢さをもち、頭脳明晰でコミュニケーション能力に長け、他人を統率していくことがうまいという特徴があります。 つまりケヴィン・ダットン氏が唱える、非情さ、魅力、一点集中力、精神の強靭さ、恐怖心の欠如、マインドフルネス(現在や目の前にあることに集中する感覚)、行動力というサイコパスの特徴を有効に働かせているのです。

社会的地位の高い人は、さまざまな荒波を乗り越えていく必要がありますし、たくさんの試練に直面することも多いでしょうから、そこを上手に乗り越えていく資質として、サイコパス的性向はある程度は必要なのかもしれません。

サイコパス度の高い職業ベスト10

ケヴィン・ダットン氏は著書『サイコパス 秘められた能力』のなかでイギリスの労働者を対象とした調査を行い、サイコパス度の高い職業ベスト10を紹介しています。サイコパスとしてのプラス面を活かしている人々が就いている職業といえます。

10位:公務員

法律に基づいてルールを遵守するために自分の感情や良心に左右されない、ある程度の冷徹さが必要です。さらに上級職で自治体や国家の存亡に関わる重要な仕事を担っている人では、もっと冷徹さが必要なのかもしれません。

例えば、ここ数年のコロナ禍のような状況のときや災害対策、急を要する金融問題、外交問題などでは、非常に知的能力が高く論理的な傾向にあるため、危機的な状況に瞬時に対応できるのだと思います。行政には住民一人ひとりのことばかり考えていられないような状況も多々あると思います。ストレス下や危険な状況下においても冷静でいる必要があるのです。

ただし裏の顔でいうと、汚職や税金の無駄遣いなど国民にとって不利益になることが簡単にできてしまう立場にいるという恐ろしさもあります。

 

9位:シェフ

慌ただしい厨房のなかでも料理人たちを統率しながら、強靭な集中力を発揮して手際良く、常にベストの味を提供するという点で、サイコパス的資質をプラスに転じさせる人が向いているのです。

有名シェフは、自分の信念をしっかりもっているというイメージもあります。海外のミシュラン三つ星レストランなどに単身飛び込んで修業を積み、自分の腕一つでのし上がってきたという矜持をもっている人が多いはずです。周りにいるスタッフはつらいですが、サイコパス的性向をプラスに働かせて成功していく職業といえます。

 

8位:聖職者

宗教における指導的役割を担い、民衆を導き尊敬される存在という点では政治家と似ている面があります。ローマ法皇のような全世界的な指導的立場にいる人は、政治家よりも大きな影響力をもっているといえます。私利私欲、原理主義に凝り固まったようなサイコパス的性向をもつ人が合っているのかもしれません。自分の信念のために宗教戦争を起こし、ほかの宗派を皆殺しにしたことも過去にはありました。そこまでいく場合は、サイコパスと考えてよいと私は思います。

 

7位:警察官

彼らは常に世のなかに目を光らせ、市民が安全に暮らすために犯罪を防止する役割を担っています。多種多様な事件の捜査や事故の取り締まりを行うため、ストレス耐性が強い傾向にあります。特に殺人事件などの場合は、たとえ残虐な現場であっても淡々と仕事を遂行する必要があります。取り締まりのために容疑者を殺めてしまった警察官もいました。犯人の心情や生い立ちなどを考えてはできないのです。よってサイコパス的性向を働かせることが重要な仕事といえます。

 

6位:ジャーナリスト

集中力と手に汗握る状況を体感する仕事といえます。仕事をしながら日々体験的にさまざまな研鑽を積むという点は、ほかの仕事でももちろんそうですが、日々努力を怠らない度合いが、ほかの職業と比べて強い職業といえます。

戦場カメラマン、戦場ジャーナリストなどは、戦争・紛争を対象として取材を展開しますので、危険を恐れずにさまざまな事件・事故現場を取材するための強靭な精神力が必要です。いつも死と隣り合わせで、自らの命をかけて現地の情況を世界に向けて発信するためには、サイコパス的性向を作用させることが重要です。

災害報道でいえば、1991年(平成3年)の雲仙・普賢岳の大火砕流の報道でもマスコミ関係者を含む 人が犠牲になりました。ジャーナリストとしての使命感のみならず戦士の遺伝子としてのサイコパス的性向がその行動を可能にしているのかもしれません。

被害者や被害者の家族などに真正面から切り込んでいくような取材を行うジャーナリス トの場合にもサイコパス的性向は役に立ちます。家族の心情などを考慮せずに取材してその行為が行き過ぎ、事件報道などではジャーナリズムの倫理が問われるケースも増えてい ます。客観的データよりも自己主張を続けるマスコミには有利な才能かもしれません。

以上がサイコパス度の高い職業10位から6位となります。5位から1位は書籍をご覧ください。

 

サイコパス度の低い職業

ダットン氏はサイコパス度が低い職業ベスト10も出しています。人に寄り添い、人の気持ちに共感し、文字どおりホスピタリティを発揮する職業が選出されています。

1位:介護職
2位:看護師
3位:療法士
4位:技術者・職人
5位:美容師・スタイリスト
6位:慈善活動家・ボランティア
7位:教師
8位:アーティスト
9位:内科医
10位:会計士

ただしサイコパスがこの職業に就いている人のなかにいないというわけではありません。過酷な仕事、そして人に奉仕をする仕事に対して、その使命感を満たすことに魅力を感じて入ってくるという点ではサイコパス的性向をもつ人はいるかもしれません。私はこの本性を自己肯定感を上げるための手段として使っている人もいると考えています。

あなたを殺すサイコパス
あなたを殺すサイコパス松井 住仁-Matsui Junin-

偽りの仮面を被り、
すぐそばであなたを狙っている――。


同僚や友人、家族……
人の心をもたないサイコパスを見極め、
身を守る方法を手に入れる


サイコパスと聞いて多くの人がイメージするのはチェーンソーなどを使い
平気で人を殺すホラー映画の登場人物や、
無差別に大量虐殺を行うような殺人鬼といった人物ではないでしょうか。
しかしサイコパスとは残虐な殺人を行う人のことだけを指しているのではありません。
彼らの特徴として「冷淡であり共感性が欠如している」
「良心に乏しく罪悪感を覚えることがない」「病的な虚言がある」などが挙げられます。
程度の差こそあれ、これらの特徴に当てはまる人は多く存在しているはずです。
さらにこれらが当てはまる人は経営者や弁護士など、
社会的地位の高いとされる人にも多いといわれているのです。
本書は著者が右腕として信頼していた人物がサイコパスだったため
被害に遭ってしまったという自らの経験から、
仮面を被り偽っている彼らにどう対処していくかを
世の中の人に伝えたいと考え執筆しました。
著者の医学的見地からサイコパスの正体に迫ることで、
同僚や友人、家族など自分自身のそばにサイコパスが潜んでいることを知ってもらい、
トラブルから身を守るための方法を学ぶことのできる一冊です。