南風が吹く場所で
書籍内容
四国の小さな町でみかん農家の娘として生まれ、大酒飲みの父親と優しい母のもとで育ったお調子者の実里。
おいしいみかんを作る父だったが、大学進学をきっかけに実里が町を離れたあとも相変わらず酒癖が悪く、家族は困り果てていた。
月日は流れ、結婚や出産で実家に帰ると、実里はいつも「お酒は、一日一日はほどほどに、この先長ーくね」と声をかけ、父も頷き小指を立てるのだった。
しかし、ある大雨の日、父が膵臓がんにおかされているという事実を知り――。
親子の関係、そして家族の絆を繊細に綴った心温まるエンターテインメント小説。