「なぜ、自分より成績が低いあの人が先に昇進するのか?」
「スキルでは負けていないはずなのに、なぜ重要なプロジェクトは別の誰かに任されるのか?」

ビジネスパーソンなら誰もが一度は抱くこの疑問。
その答えが、膨大な客観データによって解き明かされました。
株式会社クロスリバーが9年間にわたり、815社・17万3,000人を対象に、総額1億円以上を投じて実施した大規模調査。AI解析と、カメラ・ICレコーダー・メール履歴などの徹底した行動ログをもとに比較分析した結果、浮かび上がったのは――

いわゆる「仕事ができる人」と「会社から期待される人」との間にある、決定的な“行動の違いでした。

※本記事は『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より一部抜粋・編集しています。

今は「出世を真剣に考える」べき時代

出世を避けるという選択が通用しない時代が訪れています。その背景にあるのが、生成AIの急速な進化です。

スキルでは差がつかない時代へ

「出世なんてしんどいだけ」という価値観が通用しない時代が、すぐそこまで来ています。
その最大の要因は、ChatGPTをはじめとする生成AIの台頭です。

今や文章作成やデータ分析、プログラミングといった個別スキルは、AIによって誰もが一定レベルでこなせるようになりました。つまり、「スキルで差がつかない」どころか、スキルそのものがAIに代替される時代になったのです。

これまで積み上げてきた技術が、明日には誰でも再現できるアウトプットになる可能性もあります。こうした環境の中で生き残るためには、これまでとは異なる戦略が求められます。

組織で価値を発揮する人とは

この時代に組織で生き残り、必要とされ続けるのは、AIには不可能な「人と人の相乗効果(シナジー)を生み出し、組織全体を動かすでかい仕事」ができる人です。

そして、その「でかい仕事」をするための最善策こそが、他ならぬ「出世」です。
多くの人を動かし、大きな価値を生み出すには、個人の努力だけでは限界があります。ポジションという権限を持つことこそが、影響力を発揮してインパクトのある成果を残すための最大の武器になるのです。

出世は「結果」ではなく「期待」から始まる

出世は努力の結果として得られるものだと考えられがちですが、実際にはその前段階に重要な要素が存在します。
多くの人は、キャリアアップのステップを「仕事を頑張る → 結果を出す → 評価されて出世する」という順序だと考えています。しかし、17万人のデータが示す真実のステップは異なります。

  • 周囲から「期待」される
  • チャンス(大きな仕事や裁量)を与えられる
  • 目立つ成果を出し、出世する

つまり、「出世させたい」と思われることが先であり、その期待が「成果を出しやすい環境」を呼び込むのです。

どれほど優秀でも、他の人と同じルーチンワークをこなしているだけでは、大きな差はつきません。まずは上司や組織から「この人ならやってくれそうだ」という期待を勝ち取ることが、成功へのサイクルの入口となります。

「評価する側」と「される側」の致命的な認識ギャップ

評価を得るためには、何をすべきか。この点において、多くの人が評価基準を誤解しています。

誤解されがちな評価基準

若手・中堅社員が「昇進が早い人の特徴」として挙げる項目と、実際に部下を昇進させる管理職が「重視する項目」には、驚くべきズレが存在します。

多くの一般社員は、出世には「上司への忖度」や「気に入られること」が不可欠だと考えがちですが、実際の調査では、管理職が部下を登用する際に重視する項目として「上司に気に入られていること」はトップ10にすら入っていません。

管理職が本当に見ているポイント

また、部下側が「学生レベルの基本に過ぎない」と軽視しがちな「大きな声での挨拶」は、実は管理職が重視する項目の第3位にランクインしています。上司は挨拶を単なるマナーではなく、組織全体の士気を高め、周囲にポジティブな影響を与える「リーダーとしての資質」として捉えています。

また、自己アピールに関しても認識の差が見られます。自分の能力を強く主張することよりも、「相手の話をよく聞く姿勢」が重視されています。周囲との円滑なコミュニケーションを通じて、チームとして成果を出す力が評価につながっているのです。

かつての長時間労働や絶対服従といった処世術は、働き方改革やAIの普及により、今や「効率が悪い」「主体性がない」というネガティブな評価に転じているのです。

信頼を積み上げる「115の意外な習慣」

期待される人たちの行動は、特別な能力ではなく、日々の習慣の積み重ねによって成り立っています。

特別ではない“日常の行動”

17万人の調査で判明した「期待される人たち」の具体的な行動は、どれも特別な才能を必要としない、具体的な「習慣」の集積でした。行動の例は以下が挙げられます。

習慣①:時間の使い方と学習

  • 64%が通勤中に「耳で聞く学習」を継続
  • 32%が始業前の余裕を持った時間(7:48〜8:35)に出社

習慣②:コミュニケーション

  • 37%が明快な声で挨拶
  • 81%が他部署の人とランチに行く
  • 61%が金曜日の最終メールで、「感謝」伝えている

習慣③:主体性

  • 89%がプリンターのトナー交換などの「雑務」を率先して引き受ける
  • 62%がメールへの返信を24時間以内に行う

これらは一見すると成果とは直接関係のない行動に見えますが、いずれも周囲との信頼関係を築くための行動です。

小さな習慣が人生の質を変える

大切なのは、周囲との信頼関係を築き、自らの市場価値を高めるための、極めて建設的なアプローチです。

実際に起きた変化

これらの習慣を取り入れた一般社員には、以下のような劇的な変化が見られました。

  • 73%が「職場の人間関係が改善した」
  • 59%が「納得できる評価を受けるようになった」
  • 67%が「仕事にやりがいを感じるようになった」

今日からできる第一歩

出世はゴールではなく、より大きな価値を生み出すための手段です。
周囲から期待され、重要な仕事を任される存在になるために必要なのは、特別な才能ではありません。日々の行動を見直し、習慣を積み重ねていくことです。
「挨拶の声を少し大きくする」
「感謝を伝える」
そうした小さな一歩が、やがて大きな評価の差につながっていきます。17万人のデータが示したこの習慣を、日々の行動に取り入れてみてはいかがでしょうか。

本書ではさらに詳しく解説しています

本記事でご紹介したのは、17万人のデータから見えてきた「出世の仕組み」の一部です。
「結果を出せば評価される」という従来の考え方とは異なり、実際には、期待されることが先にあり、その後にチャンスと成果が生まれる。 こうした評価の構造は、日々の行動の積み重ねによってつくられています。
本書『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』では、こ“期待される人がどのような行動を取っているのかを、115の具体的な習慣として体系的に解説しています。
評価の仕組みを正しく理解し、自分の行動を見直したい方は、ぜひ一度ご覧ください。