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ストーリーtory

ある雪の降る日、みちるはマリアに出会う。
孤高のギタリスト、両親を知らず施設で育ったマリア。 知れば、知るほどに惹かれていくみちるだが、 手を伸ばせばいつでも触れられるほど近づいても、 決して愛は手に入らない。
傷を抱え、それでも潔く生きる大人達に背中を押され、 この愛を貫くために、 みちるは人生をかけた大きな決断をする。

C

キャラクターharacter

みちる

みちる

地理学を学ぶ女子大学生。
14歳の頃に母を亡くし、父と2人で暮らしていたが、ある日を境にマリアと同じ屋根の下で暮らす。
そこで出会ったマリアに、亡くなった母の面影を覚えマリアのことを知れば知るほど惹かれていく…。

神様、未来をください

マリア

女性を愛せないギタリスト。
両親を知らず孤児院で育った過去を持つ。
18歳でバンド「レドメイン」を結成し海外ツアーや武道館ライブなど一躍人気アーティストとなったが、結成25年の現在は細々と活動をしている。

愛する人の前では、自分らしくいたい

マリア
岸川教授

岸川教授

みちるとゆり根が通う大学の教授であり、地研の顧問。
世界中の化石を求めて歩いている地質学者。マリアが一目惚れした相手。

俺に告白でもする気かな?

ゆり根

ゆり根

みちるの大学の同級生で親友。岸川教授に興味を持っているが恋愛やセックスに興味が持てない自分自身と葛藤している。

藤原滝野

家元(婆)/藤原滝野

三味線を教える家元。弟であるサンタ神父の孤児院にいたマリアを養子にとり一緒に暮らす

ジョージ

ジョージ

もうすぐ還暦をむかえるレズビアン。現在、腐れ縁のサキと共に暮らしている。

サキ

サキ

ダンサー・振付師。ゲイ。マリアとは高校のころからの付き合い

C

コミックomic

マリアライカヴァージン†

原 作
内藤織部
作 画
朔田浩美
ISBN
978-4-344-69028-8
定 価
880円(本体800円+税)
発 売
幻冬舎
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M

動画ovie

豪華声優陣によるPV公開中!
  • マリア CV:伊東健人
  • 岸川教授 CV:森川智之
  • みちる CV:秦佐和子
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インタビューnterview

現代人のさまざまな愛の形を描いて話題を呼んだ「マリアライカヴァージン†」。女性の生き方の多様性を世に問う問題作が、満を持して漫画になりました。 今回、原作者の内藤織部先生(以下:内藤)と作画担当の朔田浩美先生(以下:朔田)による対談が実現。原作に対する想いや作画に込められた熱意などをお届けします。

内藤先生のエネルギー×朔田先生の作画で
みちるたちに新しい命が吹き込まれる

原作

内藤 織部NAITO ORIBE

神戸学院女子短期大学(現・神戸学院大学)文学部文芸科。双子座。卒論のテーマは太宰治。日本動物愛護協会終身会員。日本モンキーセンターサポート会員。



作画

朔田 浩美SAKUTA HIROMI

白泉社アテナ大賞にて17歳デビュー。小学館新人コミック大賞 再デビュー。以降、フリーランス漫画家として祥伝社、講談社、集英社などの連載を経て、現在 京都精華大学漫画コース講師。山羊座O型。代表作「百花春風抄」「ストロベリー・キャニオン」

漫画化が決定したときの内藤先生のお気持ちをお聞かせください。 内藤)本当に楽しみでしかなく、まるで命の生まれる瞬間に立ち会うような神聖な気持ちになりました。赤ちゃんを妊娠すると、エコー検査でお腹の中の赤ちゃんがだんだん大きくなっていく様子がわかりますが、そのときの妊婦さんとたぶん同じ気持ちですね。朔田先生からゲラなどが上がってくるたびに、ああ生まれるんだという不思議な、初めての感覚に襲われました。

まさにマリアが生まれるという小説のテーマを経験されたわけですね。朔田先生は、作画が決まったときいかがでしたか。 朔田)“バンドもの”は楽器を描くのが大変で、それは以前の経験から知っていたのですが、この「マリアライカヴァージン†」はそれでもぜひ描いてみたいと思える作品でした。「マリアライカヴァージン†」に登場するキャラクターたちの愛情はみなとても強烈です。これまで自分の漫画でこんなに濃い愛の世界は描いたことがなかったので、挑戦してみたいなと。

原作を読まれてどういう感想を持たれましたか。 朔田)まず内藤先生のエネルギーに圧倒されました。原作に描かれているみちるたちの心の強さや生きる力を漫画にできたら、きっと読んだ人も力を得られるのではないかと考え、挑戦のしがいがあると思いました。

キャラクターを作っていく上で、どのようなところを工夫されましたか。 朔田)原作を読み込んだうえで漫画として一番読みやすい形に再構成し、主役3人の存在感を出すところに気をつけました。「マリアライカヴァージン†」には個性的なキャラクターがたくさん登場します。それらのキャラクターのエッセンスは消さないようにしながら、物語の中のエピソードを凝縮して、みちる、マリア、教授の3人のキャラクターに集中させるところに力を入れました。
また、舞台となる街にも何度も取材に訪れ、自分の中にその空気感を取り入れて、街の空気とキャラクターが合致するように努めました。

マリアはすごくかっこいいですよね。 朔田)マリアは私の中に生まれたキャラクターではないので、迷いなくどこまでもかっこよくしました(笑)。

まるでテレパシー、シンクロする二人のイメージ

朔田先生の作画をご覧になって、内藤先生はどう感じられましたか。 内藤)キャラクターに近いイメージの俳優さんの写真などを資料として朔田先生にお渡しし、キャラクターの絵を上げていただいたのですが、もう最初から私のイメージ通りで。とくにマリアはほぼ完ぺきでびっくりしました。教授も、色っぽくてちょっとけだるい感じがまさに思い描いていた教授ですね。私の作ったキャラクターがレベルアップして、さらに原作のイメージが膨らむように感じました。
そんなふうに違和感なく漫画の中に入っていけて、しみじみとキャラクターたちを見ていると、「生まれてきてくれてありがとう、いろいろな責任や負荷を与えてしまってごめんね」という気持ちになりました(笑)。

まさに内藤先生の原作に朔田先生の作画はベストマッチングだったのですね。 内藤)もしかしたら私と朔田先生のあいだには何か共通する感覚があって、つながっているのかなと思うほど。とくにそれを強く感じたのが接吻の構図です。ネームを見せていただくたびに、キャーキャー大騒ぎでした(笑)。どうして詳しく書いてないのに、あの情景が伝わったのだろうと。

朔田)あのシーンはクリムトの「接吻」をイメージして描きました。

内藤)そうですよね!私、大好きなんです。構図も好き。

朔田)私も好きで、部屋に飾っているんですよ。

内藤)えー!やっぱりつながっていますね。

内藤先生は原作をお書きになったときに、キャラクターのビジュアル的なイメージはすでに持たれていたのですか。 内藤)いつも何かしらのイメージを頭に入れながら書くので、ほとんどのキャラクターはすぐにイメージが浮かびました。ただ、今回みちるはちょっと迷ってしまって。最終的に、ショートヘアの女優さんのイメージに落ち着きました。

漫画版「マリアライカヴァージン†」に寄せられた内藤先生のメッセージに、「ビミョーなリクエストに的確に応えて下さり…」とありますが、どのようなリクエストをされたのかお聞きしてもよろしいでしょうか。 内藤)いろいろお願いしたのですが、こちらのリクエストの内容をとてもよく汲んでいただいて。1頼んだら10返ってくる感じです。これじゃ伝わらないかな、というようなこともしっかり返していただきました。具体的にはみちるのお父さんとか、サブキャラ的なところのことです。

朔田)みちるのお父さんは、最初、いわゆる企業戦士のようなエリートサラリーマンだと思っていたんですよ。そうしたら、もっと疲れている感じということで。

内藤)もっと枯れてていいです、というビミョーなリクエストを出しました(笑)。

朔田)麻布あたりに住んでいるサラリーマンだからお金も持っていそうだし、イケてる感じに描いたら、内藤先生から、嫁を亡くした中年だからもうちょっと髪もぼさぼさで、と。

内藤)まだまだいけるぜ、再婚もするぜ、みたいな企業戦士も素敵なんですが、みちるのお父さんは、打ちのめされてもう恋愛なんかしない感じをイメージしていたんです。そのときのやりとりで、朔田先生から、みちるのお父さんの年収や持っているカードのランク、家の大きさなどを質問されて、そうやってキャラクターを作っていくんだと感心しました。
家といえば、教授がすごく素敵なおうちに住んでいるのが嬉しかったです。原作者の私のほうが、教授はこのくらいの家でいいんだ、と逆に驚きました。

朔田)教授はああいった地域にひとりで一軒家に住んでいるので、どこかのぼんぼんなのかなと。

内藤)そうですね、教授は非日常を生きている人ですから。

朔田)教授はボヘミアンのような生き方をしているにもかかわらず、女性に対するふるまいはとても余裕があります。お金がないとあの余裕は無理だろうなと思います。

内藤)考古学者を目指そうなんて、ある程度ドラ息子じゃないとできないですよね。

教授の邸宅に関しては、内藤先生からとくに細かい指示などはなかったにもかかわらず、朔田先生の作画が内藤先生のイメージ通りだったのですね。 朔田)ええ、そうですね。作品の舞台である麻布周辺はやはり良いおうちが多くて、取材に行ったときに教授が住んでいそうな素敵な建物を見つけたので、それをモデルにしました。

内藤)教授のイメージに本当にぴったりでした。

これからを生きる若い人たちに伝えたい
「自分を愛し自由に生きて」

登場人物の愛の形はみんな違ってさまざまですが、本作を通じてどのようなことを伝えたいと考えていらっしゃいますか。 内藤)難しい質問ですが、愛や幸せは型にはまるものではなく、そこに縛られるものでもないので、自分の生きやすい形を自分で整えて生きてほしいと思います。いまの社会には小学生の自殺などさまざまな問題がありますが、生きづらさを感じている人に、「気を楽にしていいんだよ」というメッセージが少しでも伝わったら嬉しいですね。生きやすいようにカスタムメイドして、臆せず歩いて行ってほしいです。
「マリアライカヴァージン†」にいただいたレビューの中に、「自分はこれまで厳格な父が敷いたレールの上を歩いていくしかないと思っていたけれど、こんな生き方もあるんだ」と書かれているものがありました。
きっとそのレビューをお父様がお読みになったら怒るんじゃないかなと思うのですが(笑)、そういうお嬢さんがいらっしゃるということに私は驚きました。
これから社会に出ていく方にとって、レールの上や規格の中からはみ出すと生きにくい世界がたくさんあるかと思いますが、そういう人たちに、「好きなように生きてみて!」と伝わってくれたら、と思います。私自身も最初はレールの上を歩いていましたが、少しずつはみ出して生きてきたので。

朔田)この先の未来を若者たちが自由に生きていくために、いま、社会ではいろいろな過去の制度が壊れつつあります。その中で自分なりの改革を求めること、その勇気と意志を持って、自分を愛し生きていくことが大切なんだと伝えたいと思いながら描きました。

みちるの視線や表情に、朔田先生の思いが表れているように感じました。 朔田)そうですね、みちるは社会規範など関係なく、自分を許して、自分を愛するため、愛する人のために全部を選べるすごい子だと思います。

では最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。 内藤)まずは朔田先生の美しくて切ない絵を見ていただきたいなと思います。みちるの肝が据わった生き方や、肝が据わるまでの覚悟というのが私が一番書きたかったところです。覚悟を決めて生きるみちるには、これから先いろいろな反動が来るでしょう。それも含めすべてわかったうえで、この生き方を選んだみちるのまなざしが少しずつ強くなっていく、朔田先生はそれを見事に描き切ってくれました。
また、漫画版「マリアライカヴァージン†」の結末は、小説とは少し違います。そこも楽しんでいただければと思います。

朔田)この物語に流れる愛のエネルギーを受け取って、元気に生きていきましょう!

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その他ther

福岡・天神駅

福岡・天神駅タペストリー 福岡・天神駅タペストリー

原作小説

マリアライカヴァージン†

マリアライカヴァージン†[原作]

著 者
内藤織部
ISBN
978-4344937529
定 価
1,650円(本体1,500円+税)
発 売
幻冬舎
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